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鳥取養護の先生方に向けてお知らせ

鳥取県立鳥取養護学校・校長 田中一雄先生より
7/28(水)米子市文化センターでの講演を聴いて
書いてくださったものをご紹介します。

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たかが90分間、されど90分間

「学校からバット1本を持って帰ってなあ、そいつの家へ行って、玄関のガラスを派手に壊してやれ。それでも気が済まんかったら、壁や窓ガラスも壊してみい。派手になあ…」と、何とも物騒な話なのに会場内は笑いあり、涙あり…共感、感動、自覚、覚悟、意欲…など聴衆の一人一人の思いが会場内にあふれていた7月28日(水)米子市文化ホール…午後2時30分から午後4時までの90分間だった。先ほどの話は、「いじめ」の話から出てきたこと。年々多くなる「いじめ」を苦にした自殺…そんな状況にならないために子どもたちに、竹内昌彦先生が教えていることだ。「こんなにも腹がたっとる、こんなにも悔しい…その思いを行動に出すことで解決が始まるんだ。3人分の命を持っているんだから、大切にせえよ…」というメッセージ…乱暴な話だが、現実的で効果のある内容だと納得。

県特研講演会の講師は、もと岡山盲学校教頭の竹内昌彦先生65歳。講演が始まって、まあ…3分間後には会場は竹内ワールドになっていた。ユーモアがあり、難しい言葉など一切なく、わかりやすい。本校の求めている≪わかりやすさ≫とは、まさにこういう話し方だと思った。巧みな話術、間の取り方は一流の噺家はだし…語り口調に抑揚があり、重みがあり、リズムがある。スーッと心のど真ん中に伝わってくることを、心地よく感じる。目をつぶるとその光景が浮かんでくるなあ…そう思った時、ハッとした。そうだよなあ。目の見えない分、しっかりと聞く、聴くことは、晴眼者よりはるかにその能力は研ぎ澄まされている。視覚障がいの方の「聞く」とは、整理して覚えることであり、いつでも取り出せる準備をもすることである。だからあいまいに聞くのではなく、相手の心持ちまで感じて聞く、言葉の表情を聞き取るのである。これも本校の求めている≪聞く≫のお手本である。そんな聞き方をするからこそ、話すことも磨かるわけだ。「話し上手は聞き上手」と言われるではないか。竹内先生ほどになると「話し上手」ではなく、話し名人の域であるので、聞き名人に違いない。竹内先生の講演は、次々に話題が変わっていくが、それぞれが実に興味深く、心を揺り動かされる。それは先生の心からほとばしる言葉だからだろう。言葉ってこんなに力があるんだということを再認識。

私はこの90分間で、書ききれないぐらい心を揺さぶられました。それはおそらく会場にいた人すべてでしょうし、手話通訳の方も通訳をしながら、目頭を何度も押さえておられました。紹介された「島村先生」「中原先生」の存在の大きさを感じ、自分自身のちっぽけさも感じ、それでも勇気と元気と目標をもらえました。「まだやれることがたくさんある」と感じることもできました。そして何より、鳥取養護学校の先生たちと一緒に、児童生徒の「夢をかなえる」ために、この子たちと関われることを誇りにして、自身を持って取り組んでいきたいと強く思いました。

そんな90分間を共有できた参加者と共に、心からの拍手を送って竹内先生とお別れしたのですが、竹内先生には、8月5日に本校に来ていただき、人権教育講演会で、ご講演してもらいます。楽しみにしてください。緊張することなく、肩に力を入れることなく先入観なく、いつものように、子どもたちを思う気持ち一杯でご参加ください。教職員として、親として、一人の人間として、何か心の中で動き出す講演会になると信じています。乞うご期待。